介護職の給料の平均ってどのくらいなのかな?
気になっていてもなかなか分からない介護職の平均給料額。
「他の職種との比較」や「勤務施設ごとの平均給料額」など意外と知らない介護職の方のお給料を分析してみると・・・。
「介護職の給料は安い・・・」
そう思っていませんか?
厚生労働省のデータや国税庁による平均給料額のデータを見てみるとと意外な発見が!
このコラムでは給料の金額だけでなく、
- 他の職種と比べてどうなのか?
- 今後の介護職の給料はどうなるのか?
など、さまざまなデータを使って分析をしています。
- 介護職への転職を検討している方
- 今の給料に不安のある介護職の方
など、介護職の平均給料が気になる方はぜひ参考にしてみてください。
目次
このコラムの具体的な内容は?
このコラムでは
- 過去4年の給料額のデータ比較
- 他の業種との比較
- 資格にあるなしでどのくらい額が違うか?
- 勤務する施設による給料額の違い
- 運営法人による給料額の違い
- 今後の介護職の給与額の動向
- 介護職の方の給与体験談
を取り上げています。
このコラムを読むことであなたが得られるメリットって?
このコラムを読むことであなたは次のようなメリットを得ることができます。
- 介護職の平均給料額が分かる
- 資格のあるなしによる介護職の平均給料額の違いが分かる
- 勤務する施設による平均給料額の違いが分かる
- 運営法人による平均給料額の違いが分かる
- 今後の介護職の平均給料額の傾向が分かる
- 給与について介護職をされている方の実際の声が分かる
介護職の平均給料額っていくらなの?
安い安いと言われている介護職の給料。
でも、実際の平均給料の金額を見てみると意外な事実が・・・。
過去4年間の平均給料額!
常勤介護職の平均給与額
平成27年:287,420円
平成26年:274,250円
平成25年:276,940円
平成24年:269,760円
データを見てみると
4年間で17,660円給料額がアップ
しています。
「不足している介護職を増やそうとしている国の政策」が給与額アップの大きな要因になっています。
常勤介護職って何?
ちなみに「常勤介護職」というのは簡単にいうと
フルタイム(一日8時間、一週間最大40時間)働く介護職員
のことです。
月給でお給料をもらっている正職員の方は常勤に当たります。
また、臨時職員という名目であっても正職員と勤務時間や勤務形態が同じであれば常勤にあたります。
グラフで見る過去4年間の平均給料額!
グラフで過去4年間の平均給料額を見てみると平成26年に少し減っているものの、年々増えていることが分かります。
「介護職の給料は安い」は昔のことなのかもしれませんね!
介護職の給料を他の職種と比較すると?
介護職の給料額は分かりましたが他の業種と比べるとどうなのでしょうか?
国税庁のデータを使って分析してみると・・・。
他のお仕事と給料額を比べてみると・・・
介護職以外のお仕事の平均給料額と比較すると・・・。
平均月収(年収より換算)
介護職等(医療・福祉):274,416円(年収:3,293千円)
サービス業 :233,666円(年収:2,804千円)
卸売・小売業 :254,333円(年収:3,052千円)
農林水産・鉱業 :220,416円(年収:2,645千円)引用元: 民間給与実態統計調査結果(国税庁)
医療と福祉が一緒になっているデータではありますが、他の業種と比べても給料額は多いことが分かります。
介護職は高給取り!?他業種との比較で見える意外な平均給与額!
金額で差額をまとめると、
- サービス業より40,750円高い
- 卸売・小売業より20,083円高い
- 農林水産・鉱業より54,000円高い
ことが分かります。
グラフで見てみるとよりその違いが分かりますね!
他の職種と比べても介護職の方の給料は高いを言えそうです。
これまでデータだけを見てきましたが今度は実際の体験談も見てみましょう!
介護職に転職して給与アップ!?実際の体験談!

私は、介護業界に入る前は北海道のホテルを住み込みで転々としながら働いていました。
サービス業のホテル業界は職種にもよりますが、誰にでもできる清掃や接客の仕事は給料が本当に安いのです。
ボーナスもありませんでした。
住み込みで寮費や食費が保証されていましたので、使わなければ毎月5万円ほど貯金もできていました。
ですが、ずっと独り身ならまだしも将来を考えると続ける意味はありません。
一念発起して、私は介護の世界に転職しました。
介護の世界は「給料が安く仕事も体力的にも精神的にも厳しいところ」だと聞いていました。
専門的なスキルもなくコミュニケーションも苦手な私にとって大変でしたがとてもやりがいのある仕事でした。
給料面でも夜勤に入ればホテルで働いていたころよりも8万円以上多くもらえ、ちゃんとボーナスもでました。

私は飲食業でスタッフとして働いていました。
その店はとても忙しく、朝から夜まで働いて体力的にも限界を感じていました。
しかもそんなに働いていたにも関わらずお給料としては20万円で手取りは17万円となっていました。
正職員にも関わらず、そのお給料の金額に不安を抱えるようになりました。
そんな時、介護職に転職をした友人の話を聞くことができました。
転職をした時、正直そんなに羨ましいと思いませんでした。
というのも介護職というのは、お給料が安いと聞きいていてそんなに給料は高くないだろうと思っていたからです。
ところが、私のお給料よりもずっと高い事を知った時、愕然としました。
しかも、残業がほとんどどないという事です。
それだったら、転職をしたいと思うようになり転職をしました。
実際に、3万円ほどアップし、とても満足しています。

それまでの仕事が完全歩合制の営業でした。
個人事業者とほとんど変わらない働き方で、勤務時間にもばらつきがあって、毎月の収入も安定しないでいました。
まとまった収入のある月もあったのですが、あまり収入の入らない月もあって、年間を通せば、普通に働いた方が安定しているという感じでした。
何よりも収入が安定しないことで、気持ちがすり減りました。
そこで仕事の合間に初任者研修を受講して、高齢者施設に採用されることになりました。
実際に働くまでは不安でしたが、採用された施設を経営している会社はしっかりしていて、収入も安定したことで気持ちも落ち着きました。
それまでの仕事が対人的なことだったので、相手にあわせさえすれば何ら苦になることは特にありません。
介護の仕事は低賃金だといいますが、きちんとした経営をしている会社に採用されることで安定した収入になると思います。
資格のあるなしで変わる!?介護職の平均給料!
介護職の給料は、資格があるかないかでも差があります。
この差は「資格手当」によるもの。取得が難しい資格であればより資格手当が多くもらえます。
では、取得資格によって給料額にどんな違いがあるのかを見てみましょう。
資格別の介護職平均給料額!
資格なし :253,550円
介護職員初任者研修 :267,410円
介護福祉士 :297,320円
介護支援専門員(ケアマネ):334,410円
これだけは押さえておきたい介護資格の詳細!
データにあった3つの資格、介護職なら最低限知っておきたい資格。
では、その内容をおさらいしてみましょう。
介護職員初任者研修
昔のホームヘルパー2級にあたる資格が「介護職員初任者研修」です。
介護職の登竜門的な資格で、最近では介護職に転職する方はたいてい持っています。
介護福祉士
介護職の国家資格。国家試験を合格することで取得することができます。
受験をするために実務経験が必要となるため、介護現場で仕事をしながら実務経験を積んでから取得する方も多い資格です。
介護支援専門員
ケアマネージャーをするために必要となる国家資格。
この資格を持っている方のほとんどは介護現場というよりもケアマネージャーとして勤務しています。
この資格を取得するには実務経験のほかに介護請求など、介護の事務的な知識も問われる難しい試験をパスしなければいけません。
施設によって差が!?施設による平均給料の違い!
介護施設によっても給料に違いあります。
どのような施設があって、平均給料額はどのようになっているのか見てみましょう。
施設別、介護職の平均給料額!
介護老人福祉施設(特養、ショートステイ等) :305,460円
介護老人保健施設(老健) :295,480円
訪問介護事業 :269,690円
通所介護事業所(デイサービス) :256,240円
認知症対応型共同生活介護事業所(グループホーム):250,970円
データにある施設の特徴も見てみましょう。
知らないと損をする!?介護施設の種類!
介護老人福祉施設
いわゆる老人ホームで特別養護老人ホームやショートステイなどの施設です。
利用者の方の介護度は比較高めで夜勤があります。
そのため、夜勤手当による給料アップが望めます。
介護老人保健施設
医療ケアやリハビリを中心に行っている医療系の施設。
介護老人福祉施設と比べると、介護職の割合は低く、看護職の割合が多いのが特徴です。
訪問介護事業
利用者の方のお宅で介護サービスをするホームヘルパーを派遣する事業所のこと。
ホームヘルパーとして、利用者さんのお宅に派遣される形での勤務になります。
通所介護事業所
いわゆる「デイサービス」のことです。
基本的に「夜勤なし」「日曜日が休み」ですが、最近では宿泊もできる「お泊りデイサービス」もできています。
お泊りデイサービスでは夜勤があるので注意が必要です。
認知症対応型共同生活介護事業所
いわゆる「グループホーム」のことです。
介護度が比較的低く、ご自身のことをある程度できる方が利用します。
介護老人福祉施設と同じく、夜勤があります。
運営している法人によっても給料額に違いがある!?
介護施設を運営している団体は普通の会社以外にもさまざまな法人があります。
その法人によっても介護職の平均給料額に違いあります。
運営法人別の介護職の平均給料額は?
社会福祉法人 :203,280円
株式会社等(営利法人):217,270円
医療法人 :206,820円
データを見ると
一番平均給料額が高いのは営利法人
で
一番低い金額と13,990円差がある
ことが分かります。
では、データにある運営法人の詳細を見てみましょう。
知っていると一目置かれる!運営法人の種類!
社会福祉法人
介護福祉など社会福祉を行うために作られた法人です。
普通の会社(株式会社などの営利法人)より平均給料額が少ない傾向がありますが、経営が安定している場合が多いのが特徴で、安心して勤めることができる法人です。
営利法人
いわゆる株式会社などの普通の会社のことです。
儲かっていれば給料に反映されやすい反面、経営が不安定になるとつぶれる可能性もあります。
医療法人
介護老人保健施設(老健)の運営法人で、医療版の会社のようなものです。
求人数が少ないですが、病院と同じくらい安定していて、給料額も比較的高いのが特徴です。
これからの介護職の平均給料はどうなるの?
平成28年6月2日に閣議決定されたニッポン一億総活躍プラン。
その中で「介護人材確保に向けた待遇改善の推進」が記載されています。
簡単にまとめると、
- 介護職を増やすために
- 介護職の待遇(給料アップを含めた)を
- 国として改善していきます
ということが言われています。
このプランからも今後も介護職の給料がアップすることが望めそうです。
現在も介護職限定で給料をアップする処遇改善金という仕組みが運用されています。
こういった仕組みを使ってさらに国が介護職の平均給料額をアップしていくこと期待できそうですね!